・東京都/無職(転職活動中)/35歳
・独身
・ブラック企業で心が折れて退職
・理想のタイプ:高橋しょう子、神宮寺ナオ、松下紗栄子
・誰似:柄本明の息子
・出会い系は初心者
35歳で会社を辞め、無職になりました。毎日残業で終電ギリギリまで働き、残業手当も出ないようなブラック企業でした。
そのうちに心を病んでしまい、出勤するのも難しくなって、上司や同僚にありとあらゆる罵声を浴びせられるような日々…そうなってしまうと、退職するのに時間はかかりませんでした。
しかし再就職しようにも心身の状態が思わしくなく、ハロワや転職サイトで見つけた会社も軒並み不採用で、再就職へのモチベーションもすっかり消えていました。
まさにどん底の時期。蓄えも徐々に減っていき、もうこのまま生活保護者になるか、浮浪者になるか、自分がどうでもいい存在に思えていました。
ただそんな時期なのに、人間というものは恐ろしいもので、腹も減れば眠くもなる。性欲もそこそこある。当時は独身の一人暮らしで彼女もおらず、昼間から悶々と自慰するくらいしかありませんでした。
何もしない平日は主婦の様子がよくわかる
そんな時、たまたま見ていたテレビのワイドショーで、主婦の不倫の話題をやっていました。
今どきの主婦は、旦那が働いている昼間から、欲求不満を解消するために他の男と不倫している。出会い喫茶や出会い系サイトを利用して、好き放題にセックスを楽しんでいる。そんなテーマでした。
私はそれを見て、激しい怒りを覚えました。旦那が必死で働いているのをよそに、専業主婦が男とセックスしているなんて。
また、怒りと同時に、強い興味もわいてきたのです。
俺が一人でマスターベーションしている同じ時間に、どこかで主婦が不倫セックスをしている。セックスレスに不満を抱いている主婦は、毎日毎日遊んでもらえる相手を探している…。
やけのやんぱちになっていた私は、どうせ仕事も決まらないし、金もないし、そういう欲求不満の主婦と昼間っから思いっきりセックスしてやろうと思い立ったのです。
スマホを検索し、出会い系サイトを探してみて、不倫目的の主婦や人妻が多く登録しているという「PCMAX」を選びました。
登録してみると、自分の住んでいる住所の近くにも、大勢の女性たちが「不倫・浮気」「セックスフレンド」といった目的で相手を探しているのがわかりました。
人が再就職で悪戦苦闘しているのに、家のすぐ近くにこんなに大勢の不倫主婦が存在していることに、ショックを覚え、そして怒りも増してきました。
俺の苦労を何も知らずに好き勝手なことばかりしやがってと、今思えば完全に八つ当たりな考えを、当時は本心から抱いていたのです。
平日昼間の出会い系は浮気する主婦たちでいっぱい
出会い系の中には、ほほう、と思うような可愛らしい女性が無限にいました。プロフィールを見て妄想するだけで、なんだか幸せな気分になっていきました。
この中のどの女とも、セックスできる可能性はゼロではないのです。
普通に暮らしていたらまず絶対に出会えることのない女性、道端ですれちがっても気づかずに通り過ぎてしまう女性、街で見かけて目が止まるほど美しくても声をかけるなんてできずに2度と会えなくなる女性。
そんな女性たちが出会い系には無数に存在していて、こちらからのメールを待っているのです。
返事が来るかどうかは、送ってみなければわからないのは承知の上ですが、今の自分の状況、仕事も金も希望もないことに比べれば、なんて輝かしい世界なんだろうと思わずにはいられませんでした。
時間は果てしなくあったので、メールをとにかく送り続けました。
誰かと繋がりたい、誰でもいいからこの苦しみを忘れられる相手と過ごしたい、その一心でした。
プロフィールから相手のことをできるだけ具体的にイメージして、どんな言葉で誘うべきか、どんなメールが喜ばれるか、社員の頃とは比べものにならないほどのパワーでメールしました。
その甲斐あって、ある主婦とコンタクトが取れたのです。
私は興奮しました。彼女は36歳のアイさん。子供が幼稚園に行っている間なら会えますよということで、平日の昼間にアポを取りました。
アイさんは小柄なかわいらしい人でした。
平日の昼間に大の男が出てきても、それをとがめるような言動は一切ありませんでした。
軽食を取りながらアイさんは、こうして出会い系で男性と会うのははじめてだと言いました。
私はてっきり、出会い系で昼間から男を漁るような主婦は、全員淫乱で股のゆるい、低脳なヤリマンだと考えていたので、少し拍子抜けしました。
アイさんの身の上話を少しだけ聞きました。
旦那さんが会社の女と不倫している、相手の女性のことはアイさんも知っていて、それを旦那さんにとがめると「ありえない」と暴力を振るわれるようになった。
もう毎日が辛い。そんな話でした。どこにでも不幸はあるものだと思いましたが、私にとってはどうでもいい話でした。
アイさんとは結局話だけしてその日は別れました。ホテルに誘ってはみましたが、はじめての人とはちょっと…と断りを入れられたのです。
しかし次に会う約束もして、アイさんを自宅近くまで送りました。
家に帰ってから、私はアイさんを想像して激しく自慰にふけりました。
今しがた別れたばかりの小柄な女体。服を盛り上げていた2つのふくらみ。左右にぷるぷると揺れていた丸いおしり。スカートからちらちら見えていた白くむっちりとした太もも。
私は脳内で何度も何度もアイさんを犯し尽くし、恍惚の喘ぎ声の幻を聞きながらカビ臭い部屋に精子を放ちました。
主婦を抱いて男としての自信を取り戻す
2度目のデートで、アイさんは私に抱かれました。
それまで何度も想像し、自分を慰めていた本物の裸体を前にして、私はやり遂げたという思いを感じました。
想像していたよりも黒く大きな乳首を舌でころがし、舐めまわし、指できつく絞り上げると、痛がるどころか快感の叫びを上げる女。
手入れもしていないような濃い陰毛を鼻で押し分けると、赤黒いびらびらはすでにぬめっていて、メスの獣臭を放っていました。
いきりたった我が息子をその陰唇に押し当てて、徐々に深く送り込んでいくと、自分からこすりつけるように腰を動かしてきました。
アイさんは終始小さな声であえぎながら、私にしがみつく仕草を何度もしてきました。
誰かに抱きしめられることなんて、いつ以来だったでしょうか。
行為が終わってから、アイさんは私に口づけをせがみ、私もそれに応えて長い間口づけをしていました。アイさんは涙を流していました。涙の理由は聞きませんでした。
出会い系を始めるまでは、不倫する主婦に憎悪さえ感じていた私でしたが、なぜか憑き物が落ちたようなスッキリとした気持ちになりました。
それは決して、性欲を発散できたというだけでなく、なんというか、女性と久しぶりに交わることで私自身に新しいパワーが生まれたということ。
そして、こんな自分でも誰かにパワー(一時のセックスというパワー)を与えられるのだということ。それを実感したからでした。
白黒の、無味乾燥とした毎日が、少しだけ色のついた世界に変わったような感覚。
相変わらず孤独な世界だけど、もう少し頑張ってみようかという気持ちが、再び動き出した気がしました。
(東京都/求職中/35歳)