・東京都/大学5年生/23歳
・彼女なし
・脱童貞はソープで
・180cm・66kg
・誰似:麒麟の田村
・友人の評判を聞いて出会い系参戦
大学4年の秋を過ぎても、冬になっても、就職先が決まらなかった俺は、焦っていた。
周りのやつらはだいたい皆、とっくの昔に内定ゲットしていた。
大学をリクスーで歩き回る人の数がだんだん減ってきて、進路指導室に貼られる求人情報も、もうスカスカで、会社も聞いたことのないような、クソ田舎の方の中小みたいのしか残ってない。
しかも、そこにエントリーしてもけっこうな人数が応募してきてて、あげくにまた落とされるという屈辱。
行きたい会社でもないのに必死でES作って、一応その会社向けにアレンジして、想定問答暗記して、電車賃払って面接に行って落とされる。
もう何十回も経験させられたことだけど、これに慣れてしまったら本当のダメ人間になる気がした。
だから、悔しいという気持ちを持ち続けて、次へのモチベーションにしてきた。
だけど、もうけっこう限界。
落とされて落とされて、自分が人間として全否定されてる気になってくる。
今はもうこれ以上続けることが厳しいから、もう1年、留年して再チャレンジすることにした。
そりゃ、親はいい顔しなかったけど、将来的に俺が面倒みるんだから、文句は言ってほしくない。
俺だって必死でやった結果が、どうにもならなかったんだから、もう一回チャンスくれ、くださいと伝えた。
もう1年学生だ。
素人童貞のまま卒業してしまう焦り
俺は学生の間にやり残してることが、もう一つあった。
それは、俺は素人童貞のまま卒業するところだったということ。
この4年間で、何人かに告ったけど、みんな振られた。
思えば、1年の時に同じサークルに入ったあの子に振られたのが、この暗黒の大学時代を象徴してる気がする。
あの子に振られてから、あんまりいいことなかった。
サークルも行きづらくなって、すぐにやめた。
ぼっちになるのはめちゃめちゃ嫌だったから、なんとか友達をつくって頑張った。
でも、頑張って友達つくる、という時点で終わってるのもわかってた。
そんなの頑張ってつくるようなもんじゃない。
でも彼女は、頑張らないとできないものだと思った。
俺は顔もイケメンじゃないし、サークルもやめたし、バイト先でもそんなウェイウェイやれない、小心者なんです。
ただ孤独だけは避けたかったから、みんなが話してる中には入るようにしてた。
飲み会にも金の許すかぎり参加した。
飲み会で彼女の話になって、最初は童貞だって正直に言って、「おま、まだDTかよ!」ってバカにされつつもその瞬間は盛り上がるから、それでよかった。
でも何回も何回もいじられて、女子からも童貞だって笑われて、耐えられなくなった俺は、決意してソープに行った。
ソープのサイトを片っ端からチェックして、めちゃめちゃ検討して店を決めた。
就活でもこんなに必死じゃなかった。
だから何十社も落ちたんです。
ソープは、はっきり言って超緊張したけど、金を払えばセックスってこんなに簡単にできるんだって、あっけなかった。
待合室はおっさんばかりだろうと思ってたけど、意外と若い客も多くて、ちょっとびっくりした。
ブサメンばかりでもなくて、お前その顔なら絶対彼女いるだろう、というような男もいた。
相手のソープ嬢は、写真で見たのより老けてみえたし、おっぱいも垂れてた。
でも巨乳だったから、俺はその胸をいっぱい吸いました。
って正直に言ったら、その人は喜んでた。
嘘かもしれんけど、童貞かわいくて好きよ、って言ってくれた。
動画で見るのと、実際は全然ちがったし、ちがってるということも予想してたからいいんだけど、本当に今自分がやってるという実感が、その最中はなかった。
なんか幽体離脱して、俺を空中からもう一人(幽体)の俺が見てるような感じ。
そういうわけで、俺は童貞じゃなくなったけど、周りは相変わらず俺を童貞だと思いこんでた。
「童貞じゃねーよ」と言ったけど、それについて詳しく問い詰められて、きょどった。
だってソープで脱童貞したなんて、よく考えたら恥ずかしくて言えない。
俺はバカだったわ。
本当は童貞じゃないのに、周りは童貞だと思ってる。
女子もそう思ってる。最悪だ。
でも考えてみると、素人童貞であることは確かだから、そういうことだと割り切ることにした。
気持ち的には、もう童貞じゃないから心の余裕はあるし、いじられても以前ほど恥ずかしくなることはなくなった。
でもその一方で、学生のうちになんとか彼女作って、本当のセックス(金を払わないという意味)したいと切実に思った。
出会い系でサクッと素人初体験できた
ソープに行くことはできても、街でナンパとかは無理。
大学やバイト先にかわいい女の子はいるけど、振られた時のこと考えると告白もないわと思う。
じゃああと何したらいいかって考えたら、出会い系だった。
出会い系で適当な彼女見つけて、さっさと素人童貞卒業すればいいやって。
それとなく周りに聞いてみたら、何人かは出会い系の経験ありだという結果が出た。
中には、本命の彼女いるのに、出会い系でつまみ食いしてるやつとか、出会い系で今の彼女と付き合うようになったとか、そういうやつもいた。
俺はけっこういける気がしてきた。
で、彼女ができたっていうやつに聞いた出会い系に登録して、ネットでいろいろ情報を集めて、何人かにメールを送ったりしてたら、本当に簡単に、女の子からの反応があった。
ラインで直接送ったり、写メを見せてもらったりしたけど、けっこうかわいい子が俺に会いたいねって言ってきた。
それは新鮮な驚きだった。
俺が振られ続けてきた、暗黒の大学時代は何だったんだ?って笑えてきた。
最初に会いたいって言ってきた子と会って、飲みに行って、カラオケ行って、そこでチューした。
めっっっっっちゃ興奮した。
ソープでセックスする時の、10000倍くらいビビりながら、ボックスの中でキスした。
それから、その子とその子の部屋で、セックスした。
正直、こんなスムーズにいくなんて考えてもみなかった。
俺の下でよがってる女の子がめちゃめちゃかわいくて、絶対幸せにしてやりたいと思った。
でも不思議なもので、セックスし終わって彼女の部屋から出た瞬間、俺はまた出会い系にアクセスしてた。
もう一人、会いたいっていう女の子が他にいたんで、その子と連絡取り合わないといけなかったから。
出会い系はやばい。
俺みたいな暗黒の学生生活送っていたやつにも、チャンスはあった。
よくある出会い系体験談、嘘ばっかだろうと思ってたけど、意外と本当のこともあるんだって思った。
俺としては、彼女を作るというよりは、もう少し大勢の女の子と会いたいと思った。
彼女は、ここでならいつでもできる感じがしたから。
あと1年、就活も頑張りつつ、セックスの体験もできるだけしたいと思う。
(東京都/大学生/23歳)